2006年3月22日 (水)

今日のストレスコーピング(8):たわいないおしゃべりを楽しむ

今日は休日にもかかわらず,どうしてもまとまった時間を確保して取り組みたい仕事があり,日中職場に出かけました(WBC日本対キューバ戦に後ろ髪をひかれつつ・・・)。

せっかくこのように休日の時間を使って,あるケースについてこれまでの記録を引っ張り出して,今までのデータをまとめる作業を始めたのですが,これがあんまり進まず(さらに途中でワードが暴走しはじめ,タイムロス),「あーあ。今日は何だったんだろう? せっかくの休みだったのに無駄にしてしまった。いつどのようにこの作業をすれば何とかなるんだろうか・・・その時間をいったいどこからひねり出せばいいんだろう?・・・」といった,低調気味の自動思考連発で,暗い気分で帰宅しました。自宅に帰ると夫が会社の人たちを呼んでのホームパーティをしていて,私もそれに参加することになりました(当たり前か)。

それが面白かったんですよ! 何が面白かったって,ただひたすらおしゃべりすることが。アジェンダ(内容)は,すべて他愛もない話ばかりです。が,そんな他愛もない話を,アルコールを入れつつ,美味しいものを食べつつ,延々と話しているうちに,さきほどの暗い気分などはふっとび,「まあ,結構大変だけど,明日からまた気を取り直して頑張ればいいじゃん!」と自然に認知が変わっていました。

これまでの自分のたいしたことのない経験からも,ある空間,ある構造のなかで,他愛ないことについておしゃべりすることは,その直前まで「もうだめ」と思いつめていた心理状態を吹き飛ばしてくれるような気がします。

今日はたまたまのパーティでしたが,そのような場を定期的に持っている人は,安定したストレスコーピングを有しているわけで,さぞかしそれが有効に機能しているだろうと推察されます。そしてそれは,11の認知行動療法(CBT)による援助を受けることよりも,よほど生活文脈に沿った形で,むしろCBT的な援助を無意識的に得られていることが多いと思うのです。(浦河べてるの家の素晴らしさは,日常生活的にそのような場を濃密に,かつ構造的に提供していることだと思います)

というわけで,自分自身,楽しいおしゃべりの機会を増やしたいと改めて思いましたし,「CBT的機能を有するおしゃべりとは,どんなおしゃべりか」というテーマについて,自分も人とおしゃべりしつつ,ちょっとずつ考えていきたいと思います。

●今日のまとめの一言: ある構造,空間のなかで,気の置けない人たちとお気楽に交わすおしゃべりほど,ストレスコーピングとして効果的なものはない。そんなおしゃべりのできる場を一つでも二つでも確保することのほうが,有能なCBTセラピストを見つけるより,よほどCBT的な手助けを受けられる可能性が高い場合もある。

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2005年8月24日 (水)

今日のストレスコーピング(7):時間を決めて悩む・心配する

  私はこの8月,諸々の理由で,悩み事や心配事が多い月でした。まあ生きていればいろいろとありますし,悪い出来事って重なるときは重なりますから,そういうときは悩んだり心配したりする時間が多くなってしまうのも仕方のないことでしょう。

  でも,悩み続けると,あるいは心配しつづけると,今度はそのことによって消耗してしまいます。で,「いつまでもこんなことに悩んでいる自分が嫌だ」とか「心配しても何も解決しないのに,心配しないではいられない」などといったネガティブな認知が生じて,さらに嫌な気分になる・・・といった悪循環に陥ってしまいがちです。

  かといって,悩んでいるときに,第三者から「そんなに悩んでもしょうがないよ」,「誰にでもあることだよ」,「そんなこと心配していないで頑張れ」,「いつまでも考えていたってしょうがないじゃないか」,「考えなければいい」・・・などと言われてしまうと,「それができないから悩んでしまうのだ! あんたに何がわかる?」と反発したくなります。

  ではどうすればいいのか,と言うと,自分で「悩みの時間」「心配する時間」を予め決めてしまい,その時間内に精一杯悩んだり心配したりする,ということです。これを私は自分自身のストレスコーピングに活用しています。

このやり方は不安障害のCBTでよく用いられるものですが,CBTで技法として使われる場合は,たとえば「毎日午後530分から6時までを“心配時間”として,めいいっぱい悩みましょう」というような教示がなされます。もちろんそのように毎日の心配時間を決めてそれに従うということも効果的ですが,一時的にストレスを強く感じて悩んでいる場合,そこまで定式化せずとも,臨時の「悩み時間」「心配時間」を決めて,その日,そのときだけ思い切り自分の悩みや心配に没頭するので事足ります。(少なくとも私は事足ります)

最近実施した「悩み&心配時間」は,次のようなものでした。ある日,とにかく悩んでもしょうがない悩みにとりつかれ,それを振り払えずに困っていました。そこでふと思い出したのが,「そうだ,明日プールに行くんだった」という,次の日の予定です。で,「明日のプールで歩いたり泳いだりしているときって,どうせ頭の中は暇だから,このことについては明日のプールで考えよう。それまで保留にしておこう」と決めて,その日,および翌日のプールに行く前の時間に,悩み事が頭をもたげても,それに付き合わず,「プールに行ったら悩もう!」と自分に言い聞かせて,やりすごしました。この「やりすごし」もそう簡単にはいきませんが,慣れてくると,まあまあできるようになるものです。

そしてプールに行き,「さあ,悩むぞ!」といった感じで気合いを入れて悩んだわけです(笑)。まあ,「悩んだ」というより,「あれこれ考えた」という感じですが,とにかくプールで身体を動かしている間,そのことについて考えつづけました。で,さんざん考えた結論は,「やっぱり自分が一人でこんなふうに考えてもしょうがない。やれるだけのことをやって,あとはなるようにしかならないもんな~」という,ごく普通のものでした。どうってことのない結論ですが,この場合重要なのは,結論の中身ではなく,このように時間を決めて悩んだことによって,「ケリをつけることができた」ということです。その後,この悩み事から私が解放されたわけではありませんが,一度ケリをつけているので,とりあえず時間を無駄にしてまで,ぐずぐずと悩むようなことはなくなりました。

以上,相変らずしょーもないコーピングを披露していますが,建設的な問題解決や認知の再構成が役に立つ悩みもあれば,むしろ悩んでもしょうがないとわかっていることについては,際限なくそれについて悩んで時間とエネルギーを無駄にするよりは,どこかで時間を決めて,その時間内に限ってめいいっぱい悩んでみるほうが,役に立つ場合もあるということを言いたかったのでした。(「そんなの当たり前じゃん!」と思われるかもしれませんが,そうなんです,当たり前なんです。当たり前に皆が実践しているコーピングを,わざわざ“技法”として定式化するのがCBTなんです。・・・・少なくとも私はそう解釈しています)

●今日のまとめの一言: 気にかかっていることを「悩むな!」「心配するな!」と言われても無理がある。でもずっと悩み続けるのもしんどい。だったら,時間を決めて,その間だけ思い切り悩んだり心配したりすることにしてみよう。それで気持ちにケリをつけられれば,儲けもの!

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2005年7月16日 (土)

今日のストレスコーピング(6):入浴剤と半身浴と読書と飲み物

  さて先日お書きしたとおり,ちょっとした出張に行ってきました。某企業でストレスマネジメントについて講演するためです。今回は十分にネットで事前調査したので,格安の値段なのにきれいでまあまあ広くて過ごしやすい部屋だったので,まずチェックインして一安心。そして私にとっては一番のポイントであるバスルームも清潔で広くて,とりあえずホッとしました。

  チェックインしたのは夜で,翌朝もほどほどに早起きして出かけなければなりませんから,ホテルの部屋で過ごせるのは,睡眠時間を除けばほんの数時間。でもせっかくのこの数時間が“ストレスコーピングのチャンス!”ということで,ご飯を食べたり仕事の準備をしたりした以外は,ほとんど以下のように過ごしました。(ホテルには,自宅と違って気が散るようなものがありませんので,自分のペースを守れるのです。これが最大のストレスコーピングだったりもしますが)

  バスタブにお湯を張り,お気に入りの入浴剤(ローズの香り)をたっぷりと混ぜ,冷たい飲み物(夜はビール!)と完全に楽しみのために読む本(ミステリ)を持って,長々と半身浴です。つまり複数のストレスコーピングの同時実施ということです。入浴剤の香りや肌触りの気持ちよさ,半身浴の気持ちよさ,楽しい本,美味しい飲み物,誰にも邪魔されない空間と時間,入浴後のリラックス,心地のよい眠り・・・といった要因が相乗効果となって,至福の時間を生み出すのです(大げさ・・・?)。翌朝も今度はシトラス系の入浴剤と飲み物(ミネラルウォーター)とミステリの続きで,またまた入浴。これで一日の始まりはとてもご機嫌です。

  と,書いていて思いましたが,どうってことのないコーピングをこんなふうに書き連ねて,ちょっと恥ずかしいです。

  でも,ストレスコーピングのコツってこんなもんだと思います。何かすごいコーピングがあって「それがあれば生きていける」といった大げさなものではなく,日常的にできる小さなコーピングをたくさん見つけておき,チャンスがあればそれをちょこちょこ実施して,「ああ,リフレッシュできた!」という時間を持つことのほうが,現実的であるように思います。(もちろん,状況に積極的に働きかけるようなコーピングも重要なのですが,その話はまた後日ということで)

  ところでコーピングについては,始終クライアントさんと話をするのですが,そのやりとりのなかで,上のような私自身のコーピングもクライアントさんに自己開示することはよくあります。「なんだ,専門家といえども,しょうもないことで気分転換しているんだな」とホッとしてもらえることもあり,このようなやりとりがクライアントさんのコーピングレパートリーの増加につながることもあります。そのような意味でも,セラピスト自身が,誰もがトライできるようなちょっとしたコーピングを日々実践するということは大事なのではないかと思います。(「CBTにおけるセラピストの自己開示」というのも,実は興味深いテーマですが,これもチャンスがあれば後日ということで・・・)

●今日のまとめの一言: ちょっとしたコーピングの組み合せによる相乗効果を活用すると効果的!

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2005年7月13日 (水)

今日のストレスコーピング(5):出張の準備

 例によってつなぎ記事です(笑)。

 ときどき泊まりの出張に出かけるときがあるのですが,私は出張,嫌いではありません。かなり好きかも。大きな理由は2つです。1つは乗り物が好きだということ。もう1つはホテル泊まりが好きだということです。※ホテルにもよりますが・・・。先日出張で泊まったとあるビジネスホテルは悲しいぐらい狭くて汚くて,おかげで「ひとりCBT」をしまくっていました(笑)。

 せっかく出張で知らない土地に行くなら・・・と,事前に準備するのがストレスコーピングとして私は大好きです。実は明後日にもわりと近場で出張&お泊まりがあります。というわけで,先日から今日にかけて私が行っている準備とは・・・

●少しでも快適で安いホテル探し・・・予約サイトの宿泊感想欄を舐めるようにして熟読するのがポイントです。私が重視するのはバスルームです。できるだけ広くて清潔なところがいいです

●ホテル近辺のコンビニ情報収集・・・明後日の出張は,夜に移動して翌日の仕事に備えるというそっけないものです。こういうとき,私は外食しません。コンビニで夕食を仕入れ,部屋でダラダラと仕事しながら,御飯を食べます。というわけで,近くにどういうコンビニがあるかという情報は必須で,それによって心積もりが変わってくるのです。

●入浴剤を仕入れる・・・浴槽が気に入れば,出張で一泊する際,大体3回は入浴します。その入浴タイムを最大限に楽しむために,普段家の風呂ではあまり使わないような香りや素材の入浴剤を持参します。入浴剤をショップであれこれ物色するのが楽しいのです。

●移動中とホテル滞在時に読む本の選択・・・私の本棚には「出張用」の棚があり,とっておきの面白そうなミステリなどが出番を待っています。自宅なら,読み始めた本がつまらなければ取り替えることができますが,出張時にはそうもいきません。なので,「絶対に間違いない!」と思われる文庫本は,出張用に取ってあるんですね。その本棚を「今回はどれを持っていこうか」と物色するのが,またまた楽しいのです。

 というわけで,現時点で入浴剤の入手までは終わっています。あとは本選び。これは明晩の楽しみに取っておくつもりです。わくわく・・・

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2005年6月18日 (土)

今日のストレスコーピング(4):マニキュアを塗る

 これは男性の方にはなかなかわかりにくいコーピングかもしれません。

 私は以前は楽器をやっていたこともあって,マニキュアはほとんど塗ったことがなかったのですが,あるクライアントさんと出会ってからマニキュアに興味を抱き,今ではこれも大事なストレスコーピングのひとつになりました。

 マニキュアを塗るときって無心になれるんですよね。というのも,間違えると台無しになってしまい,やり直しをするのが大変ですから,塗るときはその行為に集中せざるを得ないのです。そういうわけで別のことに気を取られてそれからなかなか脱け出せないときも,一度マニキュアを塗り始めると,それに100%集中するので,その間だけでも嫌なことから気をそらすことができるのです。

 マニキュアの効用はそれだけではありません。自分の爪がきれいに光っているというのはなかなか気分のいいもので,うまく塗れたときは,その後何日か,自分の爪を見ては,「まあ,綺麗!」とちょっとした自己満足に浸れます。人間ってきれいに光っているものが本能的に好きなのではないかと思います。自分の手先はしょっちゅう目線に入りますから,そのたびにほんの少しでもいい気分になれるというのは,ささやかながらも役に立つコーピングだと思います。

 もう一つマニキュアの効果としては,「育てる気持ち」を持てることだと思います。マニキュアを綺麗に塗りたければ,自分の爪を大事に育てなければなりません。爪は必ず伸びますから,どうせ伸ばすなら大事にきれいに育てようという気持ちになります。何かの世話をすることがストレスコーピングとして有効であることはよく知られていますが,植物や動物だけでなく,爪の世話もそれに入ると思います。

 さらにもうひとつ。爪って1週間も経てばかなり伸びることは皆知っていることだと思いますが,マニキュアを塗っていると,確実に爪が伸びているのを実感することができるのです。何だかよくわかりませんが,伸びた爪を見ると,「とにかく自分は生きているんだなあ」としみじみと思うことがあります。髪の毛も伸びますが,それよりも爪の伸びのほうが,「生きているから伸びているんだ」と実感しやすいのです。

 他にも,色彩を楽しむ,マニキュアが乾くまでの匂いや除光液の匂いを楽しむ,マニキュアを塗ったつるつるの爪の感触を楽しむといった,五感を使う楽しみもマニキュアにはあると思います。

 もうひとつ言ってしまえば,「安い」「お金があまりかからない」というのも重要かと思います。コストがあまりかからないストレスコーピングは,それだけでとても魅力的です。

 このように徒然に書いていて改めて実感しましたが,マニキュアって,人間のもつ多様なモダリティ(感覚機能)に関わる効用を持っているのですね。

 ま,唯一の難点は,昼間外にいて自分のマニキュアが剥げてしまったのを見つけてしまうと,そのことが気になってむしろストレスに感じることがある,ということでしょうか?

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2005年6月16日 (木)

今日のストレスコーピング(3):気分のよいお店に寄る

  私は通勤時にその日の昼御飯をコンビニに寄って買っていきます。その是非はともかく(笑),選択肢となるコンビニは自宅近くに数件,職場付近にも数件あり,その日の気分で立ち寄るコンビニを使い分けています。

 各コンビニには一長一短があり,一番品揃えがよく,美味しいお弁当を購入できるコンビニAは,店員さんの対応があまりよくありません。しかも品揃えがいいがゆえにいつも混んでいて,長い時間並んで待つこともよくあります。その近くにある別のコンビニBは,品揃えは今ひとつですが,そこでパートで働いている●●さんというおばちゃん(と言って失礼ならば,お姉さん)が最高に感じがよく,時々立ち寄るにすぎない私のような客のことを良く覚えてくれていて,レジで支払いをする時に,とにかくいつもとても気分が良いのです。

 今日は朝から雨ということもあって(雨,大嫌い!),また,一日の予定がびっしりで,出勤時から私はちょっと気が重かったんです。こういうときはどうするかと言うと,コンビニAの前を通り越して,お気に入りのパートの店員さんがいるコンビニBを偵察に行きます。そしてその●●さんがレジにいることが確認できたらコンビニBで買い物し,●●さんがいないとわかったら,コンビニAまで戻って昼御飯を買いに行きます。●●さんの晴れやかな挨拶と客さばきに接すると,とてもすがすがしい気分になり,ほんの一瞬でも「ああよかった! 今日も一日頑張ろう」という気持ちになるからです。そしてラッキーなことに,今朝はコンビニBをのぞくと,●●さんの姿が見えたのです。

 というわけで私はB店に入り,品揃えの薄いお弁当類から何とか昼食に適した商品を選び,レジに行きました。●●さんはいつもの晴れやかな挨拶と対応ぶりでてきぱきと接客してくれました。私はお弁当は箸ではなくフォークで食べたいのですが,今日も「フォークでしたよね?」と言ってフォークを袋に入れてくれました。

 それだけのことなんです。が,とにかくいつも何かちょっと得したようないい気分になります。それには2つの理由があると思います。ひとつは彼女の挨拶がとても気持ちの良いものであること。もうひとつは,彼女が私のことをちょっとだけでも知ってくれており,私の好みに応じてちょっとした配慮をしてくれるということ。

 たとえ個人的なつながりはなくても,コンビニBに行けばそういう人がいて,気持ちよく挨拶でき,気持ちの良い対応をしてくれるということを知っている,ということはとても大事なことだと思います。ストレス理論でいう「ソーシャルサポート」というのは,本来,心理的にあるいは立場的に近しい人だけでなく,この●●さんのような,身近にいるちょっとした人を含めて考えると良いと思います。このようなか細い関係性でも,それが生活のなかでたくさんあれば,仕事がうまくいかないときでも,家族や恋人や友人とうまくいかないときでも,ちょっとだけ元気づけてもらえるような気がするのです。そしてたった少しでも他者との関わりのなかで元気づけてもらえるような体験ができれば,そしてそういう体験ができることを知っていれば,それ自体が有効なストレスコーピングになるのではないかと思います

 おそらくひと昔前であれば,そのような役割を「商店街」が担っていたのかもしれません。しかし少なくとも私の身近では「商店街」は「商店街」として機能しておらず,いつもは大きなスーパーマーケットで買い物はまとめて済ませています。だからこそ日頃立ち寄るコンビニとか,薬局とか,キオスクとか,コーヒーショップとか,要は何でもいいのですが,気分よくちょっとした買い物ができるお店をいくつか知っておくというのは,ストレスコーピングとしてはお手軽で効果的である思うのです。

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2005年6月15日 (水)

今日のストレスコーピング(2):終わりの時間を決めてしまう

 昨日に引き続き,つなぎネタです。

 最悪でも来週前半までにどうしても仕上げたい原稿仕事があって(もちろんCBTに関する原稿です!),ひぃひぃ言っています。原稿書きでエネルギーを使うと,同じく「文章を書く」というブログ活動とバッティングしてしまって,両方を頑張るというのは,どうやら私には無理なようです。

 というわけで,今日も業務の合間や通常の業務終了後に原稿を書いていたのですが,こういう仕事はきりがないので,その気になれば夜中までやってしまうことになります。しかし,そのうちお腹が空いてきました。それに明日はクライアントさんとの予約がぎっしりで,それなりに睡眠を取っておかないと明日,最後のセッションまで自分がもたない,ということにふと気づきました。

(他の臨床家はどうか知りませんが,私は睡眠不足でクライアントさんと面接しつづけると,かなりしんどいです。結局それってセッションの質の低下につながりますので,職業倫理的にも睡眠確保というのは重要だと考えています。・・・が,「それって単なる自分の思い込みかも」とか,「単に歳をとって,弱ってんじゃないの?」とか,私のツッコミ小人がささやいてきたりもしていますが,無視!・・・笑)。

 で,夜10時をまわったときに決めました。「どんなに原稿書きがノッていても,どんなに中途半端な状態でも,とにかく10時半にはオフィスを出る!」と。言ってみればCBTの「活動スケジュール法」という技法のアバウトな適用ということになりますが,ここで重要なのは,自分で決めた「終わりの時間」を自分で守るためのしかけ作りです。別に私が10時半にオフィスを出なくても,誰も私を罰しはしないのです。もしその時間の原稿書きにノッていたら,むしろ自分のなかでは「もっとやっちゃえ!」と,自分で自分をあおってしまうかもしれません。したがって自分で決めた終わりの時間を,何とか自分で守るために,何らかの手を事前に打っておく必要があります。

 今日私が作ったしかけは,よくやることなんですが,でかでかと「10時半に帰る!!!」と書いたポストイットを何枚も用意し,パソコンのモニターの上の部分,デスクでもマウスを使うあたりの部分,オフィスのトイレの壁(トイレに入ったとき真っ先に目に付く場所),今日の仕事で何度も見返す資料などにベタベタと貼るということでした。さらに携帯のスケジュール機能を使って,10時25分に携帯の音楽が鳴り,「死んでも10時半に帰る!」という文言が携帯の画面に表示される,というようにもしました。

 これだけしつこくされると(自分で自分にしつこくしているに過ぎないのですが・・・笑),さすがにどんなにノッていても,「もう止めにして帰らないとな」という気になってきます。気が削がれると言えばそうなんですが,しかし上にも書いた通り,時間など物理的な都合でどこかでケリをつけなければならないとき,自分の意思の力だけに頼るのはなく,むしろ自分でケリをつけられるように,予めしかけておくというのが有効なのではないかと思います。よく「自分を信じて」などと言いますが,こういったことについては自分を信じているとろくなことにならないので,むしろ「未来の自分は何を考えてどうするのか,今の自分には信用できない」ぐらいの軽い不信感で,対策を立てておくほうが,結果的には後でつらい思いをしないで済むこともあるのではないかと思います。

 以上,2日続けてささやかな私のコーピング話でした。原稿仕事が終わらぬ間はもしかしたら,こんなネタが続くかもしれません。ごめんなさい(誰に対して謝っているんだか・・・苦笑)。

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2005年6月14日 (火)

今日のストレスコーピング(1):辛いものを食べる

 このところ出張続きで,またいろいろと仕事に追われまくっていて,更新ができていません。何の義理も義務もないブログなのですが,自分自身で「また今日も更新しなかった」と考え,ちょっと暗い気分になったりするのです。

 これがかの“ブログ・ストレス”かと実感しました。

 そこでストレスを有効活用するはずの認知行動療法家としては,このチャンスをふいにするのはあまりにももったいないので,ブログを更新できないような日々に自分がどんなストレスコーピングを行なっているのか,モニターし報告することにしました。

 ふだんはUPする前に,下書きを作り,何度か推敲するのですが,この【今日のストレスコーピング】に限っては,あえてそのような作業をしないことにしました。ぶっつけ本番で書いてすぐ公開してしまいます。といっても,別に大したストレスコーピングを実践しているわけでは決してありませんで,むしろ「くだらん!」とバカにしていただくぐらいが私としては本望のような気がします。

 というわけで,今日のストレスコーピング。 「辛いものを食べる」です。時間のないときに私が手っ取り早く選択するコーピングです。

 別に辛い料理を作るとか,買って帰るとか,どこかに食べに行くのではないのです。家に一味唐辛子とか七味唐辛子とかチリペッパーとかタバスコとかハバネロエキスとか鷹の爪とか,辛味系スパイスをストックしておくのです。で,その日の夕食のメニューとか味付けに合わせて選択し,後はそれを死ぬほどトッピングするだけです。

 私の周りにも辛いもの好きな友人が結構います。なぜか女性が多いけど,男性もいる。死ぬほど辛いものを食べながら,「ひ~ 死ぬかも~」と叫ぶのに快感を感じるようです。私もそうです。特に仕事なんかであれこれあって,いつまでもそれをグルグル考えつづけて,自分でそれをストップできないときに,この「辛い食べ物コーピング」は役に立ちます。あまりの辛さに,ものを考えられなくなるのです。そして数分後に立ち直ったときには,そのグルグル思考から気づいたら逃れていた,というわけです。

 何が解決されているわけでもないのですが,物理的な要因によってグルグル思考が一時的に中断されただけで,もう私自身の嫌な感じも中断されてしまうんですよね。その分ちょっとだけ自分が楽になったのに気づくと,「たかが食べ物,されど食べ物」だと実感します。

 というわけで,今回の週末の出張ではホテルで一人で食事することが予測されましたので,一味唐辛子の瓶も持参しました。結局近くのコンビニで夕食を調達し,ホテルで食べながら仕事するという味気ないものでしたが,それでもコンビニで買ったおかずに一味をバカバカふりかけて,辛い分満足して食事を終えました。

 長々と書いたわりには,無内容な記事になってしまいましたが,今後も更新できないときはこんな感じで苦し紛れに続けてみようと思います 。

 失礼しました!

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2005年5月28日 (土)

【ストレスコーピング】 コーピングレパートリーを豊かにしよう

  このブログのタイトルでもある【ストレスコーピング】についても,少しずつ紹介していきます。ストレスコーピングとは,自分の感じているストレスに対して,自覚的に実施する対処法のことです。誰でも自分なりのストレス対処法というものを普段から実施しているかと思います。

●コーピングレパートリーという考え方

ストレスコーピングに関する実証研究によれば,多様なストレスコーピングをできるだけたくさん身につけておき,日常生活でそれらを柔軟に活用できる人は,心身の健康度が高い傾向にあるということです。これは直感的にもわかりやすい考えだと思います。日常生活のストレスには様々な種類のものがありますから,「これさえできれば大丈夫」というコーピングがあるわけではなく,その時々のストレスに合ったコーピングをチョイスして使ってみる,使ってみてうまくいけばOK,うまくいかなかったら別のコーピングに切り替える,という柔軟性が必要なんですね。確かに周囲を見渡してみても,元気で生き生きしている人は,何かあっても落ち着いて対処し,その切り替えも上手なように思われます。そういう人はコーピングの手持ちが多く,それらをうまく使い分けているのでしょう。

  ところで「手持ちのコーピング」を心理学的ストレス理論では“コーピングレパートリー”と呼びます。カラオケのレパートリーと全く一緒ですね。カラオケのレパートリーの多い人,特にJPOPから洋楽から昔の歌謡曲から演歌まで,幅広い種類のレパートリーをたくさん持っている人は,カラオケに行くのがさぞかし楽しいでしょう。(私は逆にレパートリーが少ないので,カラオケがあまり好きではありません。笑いを取ってごまかす方向につい走り勝ち・・・笑)。それと同様に,多様なコーピングのレパートリーを増やしておけば,ストレスを感じる様々な状況や,ストレスを感じている自分自身に対して,適当なコーピングを選択し,実施することが可能になります。すると,ストレスそのものはなくならなくても,ストレスに対応する力(ストレスマネジメント力)が強くなります。大事なのは,ストレスを減らすことと同時に,コーピングレパートリーを普段から増やしておくことなのです。

  ではストレスコーピングにはどのようなものがあり,どのようなコーピングを増やしておくと良いのでしょうか。このブログではこのようなことについても認知療法・認知行動療法の観点から,そしてストレスコーピングに関する心理学的実証研究の知見に基づき,順次ご紹介していきたいと思います。

●今日のまとめの一言:ストレスマネジメントをうまくやっていくためには,ストレスコーピングのレパートリーをできるだけ増やしておき,日常生活で柔軟に活用すると良い。

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