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2011年5月28日 (土)

本ブログ休止中のCBTの変化・・・スキーマ療法にめぐりあう

 本ブログの休止中(2005年末から2010年末までの約5年間)の大きな変化としては、スキーマ療法との出会いが挙げられます。スキーマ療法とは米国のジェフリー・ヤング先生が構築した統合的な心理療法ですが、2004年にヤング先生がかなりしっかりとしたテキストを出版され、ひょんなご縁から私たちが翻訳をすることになりました。

 約2年にわたる翻訳作業は、それは苦しいものでした(いろいろな意味で)。ですが、学びながら訳し、少しずつ自分たちの臨床にもスキーマ療法を取り入れるようになって、「スキーマ療法は認知行動療法の大きな到達点なのだな」と実感するようになりました。

 スキーマ療法にはかなりのパワーを要するので、クライアントさんもセラピストも大変ですが、得るものは非常に大きく、従来のCBTとは全く異なるイメージです。スキーマ療法は目の前の症状や困りごとを標準的なCBTで一通り扱った後に導入されます。ターゲットとするのは、その人の世界観、人生観、生き方そのものです。心理療法を「浅い」「深い」と描写するのを私はあまり好まないのですが、あえて言えば相当に深いところを対象とするセラピーがこのスキーマ療法です。

 スキーマ療法に出会うことによって、私たちの実践するCBTの幅がぐんと広がったように感じています。が、効果のあるものはそれだけ副作用もあるというもので、相当慎重に導入しなければならないということも実感しています。セラピストの方々にお願いしたいのは、スキーマ療法の前に標準的なCBTを実施する必要性があることを忘れてほしくないということと、できれば最初はセルフでスキーマ療法をやっていただきたい、ということです。私自身、翻訳して学びながら、まずは自分自身でスキーマ療法をセルフで試してみました。自分の人生を集中して棚卸しするような作業で、とてもしんどかったのですが、やりぬいた後の充実感も大きく、今後の自分を支えてくれる新たなスキーマが手元に残りました。

41gtnmtsml__sl500_aa300__2 そういうわけで、CBTを施行するセラピストの方には、まず標準的なCBTを学んでいただき、その後、スキーマ療法のテキストを読み、セルフのスキーマ療法をやっていただき(もしくは自分がクライアントになってスキーマ療法を受けて)、その大変さや効果を実感したうえで、クライアントさんとのCBTに慎重に導入していただければと思います。

 それにしてもこのようなセラピーを構築するというのは、本当にものすごいことだと思います。先達が作ってくれたものを現場でひいひい言いながら何とか活用している、創造力のない者(つまり私のことですが)のレベルでは、どうしたらこういうことができるのか、想像すらできません。

 今年の認知療法学会ではヤング先生が来日する予定で、今からご講演を聞くのが、とってもとっても楽しみです。

 次回は、私自身がセルフでスキーマ療法をどうやったか、少しだけ紹介したいと考えております。いつになるかわかりませんが・・・(汗)

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