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2006年3月22日 (水)

今日のストレスコーピング(8):たわいないおしゃべりを楽しむ

今日は休日にもかかわらず,どうしてもまとまった時間を確保して取り組みたい仕事があり,日中職場に出かけました(WBC日本対キューバ戦に後ろ髪をひかれつつ・・・)。

せっかくこのように休日の時間を使って,あるケースについてこれまでの記録を引っ張り出して,今までのデータをまとめる作業を始めたのですが,これがあんまり進まず(さらに途中でワードが暴走しはじめ,タイムロス),「あーあ。今日は何だったんだろう? せっかくの休みだったのに無駄にしてしまった。いつどのようにこの作業をすれば何とかなるんだろうか・・・その時間をいったいどこからひねり出せばいいんだろう?・・・」といった,低調気味の自動思考連発で,暗い気分で帰宅しました。自宅に帰ると夫が会社の人たちを呼んでのホームパーティをしていて,私もそれに参加することになりました(当たり前か)。

それが面白かったんですよ! 何が面白かったって,ただひたすらおしゃべりすることが。アジェンダ(内容)は,すべて他愛もない話ばかりです。が,そんな他愛もない話を,アルコールを入れつつ,美味しいものを食べつつ,延々と話しているうちに,さきほどの暗い気分などはふっとび,「まあ,結構大変だけど,明日からまた気を取り直して頑張ればいいじゃん!」と自然に認知が変わっていました。

これまでの自分のたいしたことのない経験からも,ある空間,ある構造のなかで,他愛ないことについておしゃべりすることは,その直前まで「もうだめ」と思いつめていた心理状態を吹き飛ばしてくれるような気がします。

今日はたまたまのパーティでしたが,そのような場を定期的に持っている人は,安定したストレスコーピングを有しているわけで,さぞかしそれが有効に機能しているだろうと推察されます。そしてそれは,11の認知行動療法(CBT)による援助を受けることよりも,よほど生活文脈に沿った形で,むしろCBT的な援助を無意識的に得られていることが多いと思うのです。(浦河べてるの家の素晴らしさは,日常生活的にそのような場を濃密に,かつ構造的に提供していることだと思います)

というわけで,自分自身,楽しいおしゃべりの機会を増やしたいと改めて思いましたし,「CBT的機能を有するおしゃべりとは,どんなおしゃべりか」というテーマについて,自分も人とおしゃべりしつつ,ちょっとずつ考えていきたいと思います。

●今日のまとめの一言: ある構造,空間のなかで,気の置けない人たちとお気楽に交わすおしゃべりほど,ストレスコーピングとして効果的なものはない。そんなおしゃべりのできる場を一つでも二つでも確保することのほうが,有能なCBTセラピストを見つけるより,よほどCBT的な手助けを受けられる可能性が高い場合もある。

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