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2006年1月 9日 (月)

【認知療法・認知行動療法】コラムその9:骨盤を立てる!肋骨を絞る!

  正月休みの間に,久々にスポーツクラブに行き,普段は参加したことのないプログラムにいくつか参加してみました。そのうちの一つに“マットコア”というレッスンがありまして,これは身体のコア(中心部,深遠部)を引き締めるためのレッスンで,具体的に言うと,マットに横になって,横隔膜を使った腹式呼吸に合わせて腹筋の深部をギリギリと締め上げるために,ゆったりとした動きを繰り返す,というものでした。

  初体験のレッスンはどれも新鮮で楽しいものですが,今回参加したレッスンは,インストラクターの教示が非常にわかりやすく,リラックスとはどういうことか,ということを改めて認識させてもらいました。

  もともと私は身体に興味があり,認知行動療法(CBT)でもリラクセーション法を多用することから,リラクセーションに関するトレーニングは,様々なワークショップに参加するなどして積んできてはいるつもりです。が,こうやって新たなレッスンに参加するたびに,また新たな気づきが得られ,とても嬉しいものです。今回のマットコアのレッスンで一番面白かったのは,「骨盤を立てる」「肋骨を絞る」というワークでした。寝そべっていても,マットに胡坐をかいていても,とにかく骨盤をまっすぐに立て,その上で肋骨を絞るように横隔膜近辺の筋肉を内側に収縮させることで,「身体が立っている」という感じをしっかりと得られます。すると特にリラクセーションを意識しなくても,身体の他の部分,特に肩や腕や背中のあたりが気持ちよく脱力するのです。

  リラクセーションを学び,臨床で実践し始めてしばらくして,私が一番疑問を抱いたのは,「“リラックス=脱力”といえども,身体そのものが“しっかり”していなくては,脱力できないのではないか」ということでした。さらにクライアントさんと腹式呼吸法や筋弛緩法を一緒に練習しているうちに,もともとの身体がしっかりしている人は脱力が上手ですが,そうでない人はなかなか上手に力を抜けないことに気づきました。それは自分自身の身体のことを振り返ってみてもそう思います。運動をさぼっていて,たるんだ身体をしているときは,リラクセーションもへたくそだったように思われます。体幹部のトレーニングを再開し,体をしっかりと縦に立てることが再び意識的にできるようになった後のほうが,上手にリラックスできるようになったように思います。

  というわけで,リラクセーション法をより効果的に練習するために,脱力の前に“体幹部をしっかりと立てる”ことに興味を抱くようになってから,すでに何年も経っているのですが,今回,マットコアのインストラクターに,実習と共に言葉で「骨盤を立てる」「肋骨を絞る」という表現を教わり,さらに一つ,何かをつかめたような気がしました。

  といっても「つかめたような気がする」という程度ですので,今後まずは自分の身体を使って,「骨盤を立てる」「肋骨を絞る」ということがどういうことなのか,どのようにすればそれがうまくできるのか,という点を,日々練習してみたいと思います。その練習によってさらに何かをつかみ,CBTにおいてクライアントさんとリラクセーション法を一緒に練習する際に,より効果的なものを還元できるといいなと思います。

  ちなみに「身体をしっかりと縦に立てる」というのは,臨床動作法における知見でもあると思います。が,いかんせん動作法については,私自身あまりきちんと勉強しておらず,できれば一度,みっちりとトレーニングを受けてみたいとも考えております。

●今日のまとめの一言: コアな部分をしっかりさせてこそ,人はリラックスすることができる(のではないか)。

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コメント

 そんなスポーツジム、いいですね。私も受けてみたいです。うかがっていると、ヨガや気功のある種の呼吸法に似ているような気がします。
 最近のトレーニングでは体幹部の深い部分をどう鍛えるかということに関心が向かっているように聞いています。
 確かにコアの部分がリラックスすることはとても大事だと思います。

 中国武術の世界でも、骨盤(よく言われるのは仙骨)を立てることを求められます。そのために「肛門が下を向くように」という注意もありました。
 ご指摘の通り、動作法でも「身体を立てる」ことを言いますよね。

「コアの部分をしっかり」というのはまさに最重要なポイントだと思います。
 おそらく、コアを緊張させるのではなく(必要な筋肉は動員されているのはもちろんですが)、「身体意識」の在り方に関係するように思えます。
 センターとか正中線といったコア部分を活性化する意識の在り方があるんじゃないかと私は想定しています(高岡英夫氏の受け売りですが)。
 おもしろい着眼点だと思いました。

投稿: アド仙人 | 2006年1月11日 (水) 00時23分

アド仙人様
身体については,よくわからないまま書いているので,アド仙人さんのようなプロフェッショナルな方からコメントをいただけると,大変に嬉しいです。ありがとうございます。
おっしゃるとおり「身体意識」の在り方が重要だと思うのですが,それを他者に伝えるときの表現の仕方が難しくもあり,面白くもあり,という気がします。「肛門が下を向く」というのもわかりやすいですね。さっそく意識してみます!

投稿: coping | 2006年1月11日 (水) 10時35分

 臨床動作法ぜひぜひ体験ください^^
 初めての体験で、神業をお持ちのような人に課題をしていただいて、人生の中で実感したことのないような感覚に触れてから、不思議で仕方なくて、臨床動作法に嵌っています。

投稿: mana | 2006年4月 1日 (土) 07時54分

mana様

はじめまして。コメントありがとうございます。
私も,せっかくトレーニングを受けるなら,「神業をお持ちのような人」に課題をしていただきたいと思います。
> 人生の中で実感したことのないような感覚に触れる
って,すごく魅力的ですね~。
ますます臨床動作法に興味がわいてきました。
機会を見つけてワークショップ等に参加してみたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。

投稿: coping | 2006年4月 2日 (日) 10時43分

お返事ありがとうございます。
病院で臨床をしているのですが、きちんと認知療法・認知行動療法を学びたいと思って、はや数年(^^ゞ
よろしくお願いいたします。

投稿: mana | 2006年4月 2日 (日) 20時01分

追記 TBさせていただきました。

投稿: mana | 2006年4月 2日 (日) 21時26分

mana様
貴ブログを拝見いたしました。楽しくて素敵なブログですね!内田樹さんのブログは私も愛読しております。
これからちょくちょく拝見させていただきます。
こちらこそよろしくお願いいたします。

投稿: coping | 2006年4月 2日 (日) 22時19分

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