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2005年10月 2日 (日)

【認知療法・認知行動療法】ひとりごと その3:人と会って話す

  なぜかいろいろなイベントや仕事が重なり,9月はブログの更新ができませんでした。ちょっと落ち着いたので,また再開しますが,当面は「ひとりごと」と称して,9月のイベント(特に学会,べてるの家訪問)を振り返り,認知行動療法的に考察するという短い記事を掲載していこうと思います。

  今年は9月に,2つの大きな学会に出たのですが,例年に比べて出番が多く,準備をしているときは「こんなにいろんなことに顔を突っ込まなきゃ良かった」「安請け合いするから,こんなことになるのだ」と自責的認知で泣きそうになっていましたが,いざ終わってみると,非常に充実感があります。その充実感のなかでも,「いろんな人と会って,いろんなことを語り合えた」ということが大きいです。さらに直接語り合ったわけではなくとも,「著書や論文だけで知っている研究者の発表を,その人が自ら語っているのを直接聴くことができた」ということも大きいです。

 臨床や研究においては,文献を読んで勉強することが極めて大事なのはもちろんですが,さらに人と直接会って,「語る」,「語り合う」,「人が語っているのを聴く」という体験をすることで,文献で得た知識を,さまざまな角度から検討する,精緻化したり分厚くしたりする,といった,他では絶対に得られない効果がもたらされるのだと,今回も改めて実感しました。

  というわけで,学会に参加することにはいろいろな意義や目的があると思いますが,「人と直接会う」機会が爆発的に増える,という魅力がまず挙げられるでしょう。そしてそれは学会とか研究会とか,そういうレベルの話だけではなく,たとえば私が実施している認知行動療法(CBT)といったセラピーでも全く同じことなのでしょう。以前,仕事でメールを使ったカウンセリングを実験的に行ったことがありましたが,どうも私にはピンときませんでした。ネットやメールを使ったCBTについての研究もあるようですが(あまり詳しくありません),やはり直接人と人が会って語り合う,というのが不可欠のように思えます。CBTの基本も,前にも強調したとおり,ツールを使った諸技法ではなく(それだけならネットやメールで実施可能),クライアントとセラピストが直接会って,「CBT的語り合い」をすることにあるのではないかと,私は考えます。(この考えは,「べてるの家」に行くたびに,さらに強化されますが,それはまた後日)

●今日のまとめの一言: 人と直接会って話をする,すなわち「語る」「語り合う」「人の語りを聴く」体験は,買ってでもするべきである(「べき思考?」・・・笑)。認知行動療法の基本も,もちろんクライアントとセラピストが「認知行動療法」的に語り合う点にある。

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コメント

またまた門外漢ながら。
メールの一例を挙げておられましたが、企業の中のビジネスでも同じ現象が起こっています。
「メールを出しておいたから(伝わっているだろう、あるいは伝わるべきだ)」と勘違いをしている人が多く、とんでもない事態がよくもちあがります。
思えば、メールや電話だって昔々はありませんでしたのに、なぜか便利というだけでコミュニケーションのすべてが実現できる、と勘違いされているのでしょう。
でもすべてのメディアは、それぞれ得手不得手があるのです。

フェース・トゥ・フェースのコミュニケーションと、それを実現する「場」を作るのはとても手間のかかることですが、ニュアンスや微妙な表情も含めて、そこでやり取りされる情報量は膨大です。

ナレッジ・マネジメントで重要視されているように、形式的ではない「場」というのはとても重要ですね。
でも、「場」というのは文字通り比喩であって、「場」の何が人に創造的なものを与えるのか、個人的にはとても興味があります。
人数? メンバーの顔ぶれ? その「場所」の広さ、雰囲気? テーマ?
私も毎週のように「良い場(会議)」を主催するために苦労しております!

投稿: shosan | 2005年10月 4日 (火) 14時11分

shosan様

コメントありがとうございます。全く異なる「現場」で奮闘しておられる方からのコメントって,ものすごくワクワクしますし,面白いです。

コミュニケーションを実現する場の豊かさ,というのは直感的によくわかります。おっしゃるとおり,その場を何が形成しているのか,それこそ明文化できない要因が多々あるのだとは思いますが,それが何かというのは,非常に興味があります。ナレッジマネジメントという概念は,以前私が尊敬する企業人の方から教わり,本を読んでとても面白かった記憶がありますが,最新のお薦め書があれば,教えていただきたくお願いいたします。
 また機会があれば,「良い場(会議)」を主宰するにあたってのご苦労をお聞かせください。・・・とここまで書いていて思いましたが,職場の人であれ,友人であれ,家族であれ,誰かと共にいる「場」はどんなものでも,極力良い場にするために,いつでも惜しみなく苦労してみたいものだと思いました。

投稿: coping | 2005年10月 5日 (水) 01時01分

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