【一人でできる認知療法・認知行動療法】その7:問題解決法 技法②
「ひとりCBT」のための,とりあえずの技法紹介を再開します。
●【問題解決法】
認知を自分で修正できても,その認知を実生活で“実践”できなければ,「わかってはいるんだけれども・・・」というところで止まってしまいます。また認知よりも行動の面で,やりすぎてしまったり,回避的になってしまったりするなどして,何らかの問題が生じているようであれば,認知再構成法よりもむしろこの“問題解決法”が役に立つかもしれません。
といってもこれは決して特別な技法ではなく,ふだん私たちが無意識的にせよ意識的にせよ行っている,実生活における問題解決の手順を,あえて“技法”として外在化し,意識的に実践することによって,再度適応的な問題解決法が,その人に内在化されることを目指したものです。
簡単な手順は次のようなものです。
① 問題を具体的に表現する。
② 自分がよりよく問題解決できるように,自分に何か言ってみる。
(例:「今の自分にできることは何だろう?」
③ 達成可能な現実的な目標イメージを,具体的に表現する。
④ 目標を達成するための方法を,ブレインストーミングする。
⑤ ブレインストーミングによって案出した様々な方法を,“有効性”“実行可能性”と
いった視点から評価する。
⑥ 評価の高い方法を組み合わせて実行計画を立てる。
⑦ 計画に沿って“行動実験”し,計画の効果を検証する。
この問題解決法のポイントは,「大きな問題はできるだけ小さく分解して,解決を試みる」ということです。人は参っているときに限って,「どうやって生きていこう?」などと,漠とした大問題を考えてしまうものです。そういうときこそ,「小さなことを考えよう」と自分に言い聞かせて,「明日からの週末を,どうやってすごそうか」と問いを小さく立て直すのです。できればもっと小さく,たとえば「明日の昼ご飯は,何を食べたら少しいい気分になれるだろうか」とさらに問いを細分化すると,より効果的でしょう。
“認知再構成法”に比べると,この“問題解決法”はCBTの技法としての注目度が低いように思いますが,私自身は非常に重要でかつ効果的な技法だと考えています。頑張りすぎてうつ病になってしまった人などには,認知再構成法が効果的ですが,逆に自分に自信がなくて,「ああだこうだ」と考えすぎてしまい,その結果いろいろなことを避けてしまって抑うつ状態や不安状態に陥っている人には,むしろ問題解決法のほうが奏効する場合がよくあります。
「どう考えたらいいんだろう」というときには認知再構成法,「どうすればいいんだろう」というときは問題解決法,というふうに使い分ける,というやり方でもいいかもしれません。私は実際にそのように使い分けて自分で使っています。理想としては,両方習得できれば,併用したり,使い分けたりできるので,より対処力の向上を望めます。
●今日のまとめの一言:【認知再構成法】と【問題解決法】は,CBTの二大技法である。「やりすぎ」や「回避」といった行動的な問題がある場合は,問題解決法がより効果的かもしれない。
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